こんにちはKitokito(@kitokitoworld)です。
3月下旬にストライキを通知し、実際にもうすでにストライキを開始したSNCF。SNCF(フランス国鉄)は長距離高速鉄道のTGVを運行する会社であり、このTGVをはじめ各種列車が運休になってしまうとフランス在住者だけでなく観光客にも大きな影響を与えてしまいます。
そこで今回は度々行われるフランスのストライキの中でも今回のSNCFストライキ2018年に焦点を絞り、ストライキの目的とマクロン政権の意向の情報をお届けです。
SNCFストライキ2018の概要
政府・EUの意向
右でも左でもなく、ポピュリストとの対抗軸として存在していた「中道」なマクロンが大統領になってから早1年が経とうとしています。
このマクロンは様々な歴代大統領が成し遂げなかった「公共部門の改革」を進めようとしています。この改革はSNCFを対象とするものであれば欧州連合(EU)が定めた原則基準に沿う形で、2023年より鉄道部門の競争を導入したいと考えています。
この競争に関する解放を謳う原則基準にはSNCFは満たしているとは言えません。現在のままではフランスはEUからの要求にこたえることができないままになってしまいます。
また、かつてのフランス国有企業であったEDF(フランスの電気会社)、レテコム、GDF(フランスのガス会社)などの会社が改革により民営化したことにSNCFが続くことになるかもしれません。
というのも現在のSCNFは恵まれた待遇を受けているが赤字であるという状況であるからです。例えば毎年自動的に賃金引上げがあったり、年金に関すること、雇用保証、職員や職員近親者に対するSNCFへの割引、などなど。
こういった待遇をマクロンは段階的に廃止したいと考えており、年間30億ユーロもの赤字を出し、累積赤字が470億ユーロとなっているSNCFに手を付け始めたといえます。
SNCFストライキ2018の目的
そこでSNCFはエマニュエル・マクロンが進めるこの改革、特に雇用に関する改革に反対するためにストライキを決行するようになりました。
ただこのストライキ、かなり大規模なもので3か月にもおよびます。さらに4月は春のバカンスシーズンということもあり、学生をはじめ多くの観光客に影響を与えることにもなります。
もちろんこの影響を与えることが目的であり、ストライキ実行日は恐ろしく稼働率が低いままです。決行日以外にも影響を与えます。しかしこのストライキに対しマクロンは「姿勢は保つ」とコメント。これほどの大規模なストライキであったとしても姿勢を崩せないほどの赤字をSNCFは持っているといえます。
最後に
基本的にはマクロンの進める改革にSNCFが反対しストライキを開始しているという構図でした。しかしこのマクロンの背景を見るとEUも関連しています。もしこの改革をしなくてよいものにするためにはEUの方針を見直す必要さえ出てきます。
マクロンがフランスの国内問題を改善に導くにはまずSNCFの改革は必須であるといえます。今後マクロンとSNCFの対立には注目です。
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